前の4件 | -
小説よりも恋に効く本.1-1 [皆の恋話]
恋愛には、ノウハウがある。
いい恋をするには、そのためのノウハウを知っておくと便利だ。
ところが女性の多くは恋の仕方が下手なせいで、むざむざ損をしてしまっているよな――どうも男の私には、そう思えてしまってならない。
もちろん女性だけに限らず、これは男の側も同じなのだが。
恋愛のためのノウハウには、大きく分けて二つの局面のそれがある。
まず一つめは、好きになれそうな相手と出会い、実際に恋仲となるためのノウハウ。
そして二つめは、つきあい始めた相手と良好な関係を築いていくためのノウハウだ。
このうち最初の方のノウハウに関しては、わりと語られる機会が多いように思う。
しかし後者のノウハウについて論じているものは、どちらかと言うと少ないようだ。
そのため現に誰かとつきあっている大勢の恋人たちが、何らかの問題に直面した時、それをどう乗り越えていいのかわからずに悩んでしまうのではないだろうか。
男と女は、考え方や好みに違いがある。
さらには同じ男性の中でも、人によって考え方や好みに個人差がある。これは女性も同様だ。
男と女が恋人としてつきあっていると、二人の間の考え方や好みの違いが原因で、何か問題が生じる場面は多い。
それを解決するには、まず相手の考え方や好みを知ることが大切だ。
そしてその上で、決して単に自分の考え方や希望を相手に押しつけるのではなく、お互いに折り合える解決法を模索する姿勢も大切だ。
すなわち恋人との間で良好な関係を築いていくためには、二つの知識が大切だと言える。
まず一つめは、異性の考え方や好みに関する知識。そして二つめは、お互いに折り合える解決法を見つけるためのノウハウの知識だ。
この「お互いに折り合える解決法を見つけるためのノウハウ」も、相手が同性の場合と異性の場合で違いがある。同性の友だちなどに通用するノウハウが、恋人との間でも通用するとは限らない。したがって、相手が異性の場合のそれを知っておくべきなのだ。
いい恋をするには、そのためのノウハウを知っておくと便利だ。
ところが女性の多くは恋の仕方が下手なせいで、むざむざ損をしてしまっているよな――どうも男の私には、そう思えてしまってならない。
もちろん女性だけに限らず、これは男の側も同じなのだが。
恋愛のためのノウハウには、大きく分けて二つの局面のそれがある。
まず一つめは、好きになれそうな相手と出会い、実際に恋仲となるためのノウハウ。
そして二つめは、つきあい始めた相手と良好な関係を築いていくためのノウハウだ。
このうち最初の方のノウハウに関しては、わりと語られる機会が多いように思う。
しかし後者のノウハウについて論じているものは、どちらかと言うと少ないようだ。
そのため現に誰かとつきあっている大勢の恋人たちが、何らかの問題に直面した時、それをどう乗り越えていいのかわからずに悩んでしまうのではないだろうか。
男と女は、考え方や好みに違いがある。
さらには同じ男性の中でも、人によって考え方や好みに個人差がある。これは女性も同様だ。
男と女が恋人としてつきあっていると、二人の間の考え方や好みの違いが原因で、何か問題が生じる場面は多い。
それを解決するには、まず相手の考え方や好みを知ることが大切だ。
そしてその上で、決して単に自分の考え方や希望を相手に押しつけるのではなく、お互いに折り合える解決法を模索する姿勢も大切だ。
すなわち恋人との間で良好な関係を築いていくためには、二つの知識が大切だと言える。
まず一つめは、異性の考え方や好みに関する知識。そして二つめは、お互いに折り合える解決法を見つけるためのノウハウの知識だ。
この「お互いに折り合える解決法を見つけるためのノウハウ」も、相手が同性の場合と異性の場合で違いがある。同性の友だちなどに通用するノウハウが、恋人との間でも通用するとは限らない。したがって、相手が異性の場合のそれを知っておくべきなのだ。
幸せに役立つ恋愛物語.2-5 [皆の恋話]
「こうしてみては、どうでしょうかね」私はマミと秋雄さんの二人に、自分の考えを話してみることにする。「こそこそ陰にかくれるようにして私やマミが浮気の調査をやるというのは、やっぱりまずいと思うんですよ。それでは春海さんのプライヴァシーを侵害する結果になってしまいますし、そうする権利はたとえ秋雄さんにもあるのかどうか不明ですから」
「ショウって探偵みたいなことをするのは、あんまり好きじゃないのよね」いかにも残念そうに、マミが言う。「私はショウが探偵の真似をしているのを見るのが、わりと好きなんだけどな」
それは推理小説が好きなマミらしい科白だ、と言うべきなのだろう。しかし今の私は、そんなマミの趣味にまで気を回していられる立場ではない。
「ですから、こうしてはどうでしょうか」私は提案を続けた。「私とマミが春海さんに会って、いろいろと正面から話をしてみるんです。そうすれば春海さんが秋雄さんとの関係を、どうしたいと思っているのかも訊ねられるでしょうしね。誰か他の相手に心変わりをしかけているのかどうかということも、正面から訊く形なら失礼にならずに済む可能性があるんじゃないのかな」
「秋雄さんが訊けずにいることを、代わりに私たちが春海さんに訊くわけ?」
「そう言って、いいのだろうね」私はマミに、そう返事をする。「春海さんは自分の恋人の秋雄さんから、いちいち気持ちや考えを訊かれるのが嫌なわけだろう。恋人に対しては『いちいち話をしなくても、こちらの気持ちをわかってほしい』という気持ちがあるからだよな。だけど私やマミは決して、春海さんの恋人でも何でもないじゃないか。だから私やマミに対してならば、自分の気持ちや考えを話す気になってくれるんじゃないかと思ったんだよ」
「恋人の秋雄さんに対しては『自分の望むとおりにしてほしい』という甘えのような気持ちが、春海さんにはあるみたいよね。だけど他人でしかない私たちに対しては、そんな甘えを押しつけることができないわけか」
「それに私たちなら無理に訊ねたことで春海さんに嫌われてしまったとしても、別に構わないわけだからな。マミと私なら春海さんとは、あくまでも今回だけの関わりあいでしかないんだからさ。秋雄さんが春海さんの気持ちを無理に訊きだそうとして嫌われてしまったら、それは今後の二人の仲に大きな影を落としてしまいかねないのと違ってね」
「そうか、なるほどね」どうやらマミも、腑に落ちたらしい。「そうやって考えてみると、確かに全く春海さんとは他人の私たちだからこそ適任なのかな。秋雄さんと春海さんとの共通の友人とかに、その役をやってもらうのと比べてもさ」
「ショウって探偵みたいなことをするのは、あんまり好きじゃないのよね」いかにも残念そうに、マミが言う。「私はショウが探偵の真似をしているのを見るのが、わりと好きなんだけどな」
それは推理小説が好きなマミらしい科白だ、と言うべきなのだろう。しかし今の私は、そんなマミの趣味にまで気を回していられる立場ではない。
「ですから、こうしてはどうでしょうか」私は提案を続けた。「私とマミが春海さんに会って、いろいろと正面から話をしてみるんです。そうすれば春海さんが秋雄さんとの関係を、どうしたいと思っているのかも訊ねられるでしょうしね。誰か他の相手に心変わりをしかけているのかどうかということも、正面から訊く形なら失礼にならずに済む可能性があるんじゃないのかな」
「秋雄さんが訊けずにいることを、代わりに私たちが春海さんに訊くわけ?」
「そう言って、いいのだろうね」私はマミに、そう返事をする。「春海さんは自分の恋人の秋雄さんから、いちいち気持ちや考えを訊かれるのが嫌なわけだろう。恋人に対しては『いちいち話をしなくても、こちらの気持ちをわかってほしい』という気持ちがあるからだよな。だけど私やマミは決して、春海さんの恋人でも何でもないじゃないか。だから私やマミに対してならば、自分の気持ちや考えを話す気になってくれるんじゃないかと思ったんだよ」
「恋人の秋雄さんに対しては『自分の望むとおりにしてほしい』という甘えのような気持ちが、春海さんにはあるみたいよね。だけど他人でしかない私たちに対しては、そんな甘えを押しつけることができないわけか」
「それに私たちなら無理に訊ねたことで春海さんに嫌われてしまったとしても、別に構わないわけだからな。マミと私なら春海さんとは、あくまでも今回だけの関わりあいでしかないんだからさ。秋雄さんが春海さんの気持ちを無理に訊きだそうとして嫌われてしまったら、それは今後の二人の仲に大きな影を落としてしまいかねないのと違ってね」
「そうか、なるほどね」どうやらマミも、腑に落ちたらしい。「そうやって考えてみると、確かに全く春海さんとは他人の私たちだからこそ適任なのかな。秋雄さんと春海さんとの共通の友人とかに、その役をやってもらうのと比べてもさ」
幸せに役立つ恋愛物語.2-4 [皆の恋話]
「本来ならば俺が一人で勝手な妄想をして苦しんでいたりなんかせず、ちょっと春海に訊ねてみればいいだけの話なのでしょう。ところが今の俺は春海から、それを禁じられてしまっているわけです。そういう話をしようとしたら、また春海に嫌がられてしまうのは目に見えているようなものですから」
「確かに困りものですね、それは」私は腕を組み、考えこまされてしまう。「どうにも手の出しようがない、という状態なのかなあ」
「だもんで俺は、ふと思ってしまったんですよ」そう言ったきり秋雄さんは、そこでいったん言葉を切った。どことなく、次の科白を言い出すことをためらってしまっているかのような表情だ。しかし心を決めたのか、しばらくしてから再び口を開いて言葉を続ける。「もしかして梧桐さんたちに、それを調べていただくようにお願いできないものかって」
「えっ、何ですって」とっさにわけがわからず、私は訊き返した。「調べるって、いったい何を?」
「春海に誰か本当に新しい相手がいるのかどうか、ということです」どうやら腹をくくったらしく、きっぱりとした口ぶりになって秋雄さんは答える。「それから春海が俺との関係をどうするつもりでいるのか、ということもですね」
「それを私たちに調べてくれって、秋雄さんはおっしゃるのですか」
「梧桐さんたちは以前、頼まれて浮気の調査をなさったことがありましたよね」気が引けているらしい素振りを見せつつも、秋雄さんは言った。「それと同じようなことをもう一度、今度は俺のためにやっていただくというわけにはいかないものでしょうか」
確かに、秋雄さんの言っていることに嘘はない。マミと私は少し前に一度、不倫の調査をしたことがある。ある男の人から頼まれて、その人の妻が不倫していないかどうかを調べたのだ。
その時の話はプライヴァシーに対する配慮を施した上で、文章に書いて公表させてもらった。私の『婚外恋愛に走る妻たち』という作品が、それだ。おそらく秋雄さんも、それを読んだことがあるのだろう。だとしたら、その時の話を秋雄さんが知っていることには何も不思議がない。
「でもそれは、ちょっと問題があるような気もしてならないのですが」私は考えがまとまらないまま、頭の中に思い浮かんだ危惧を口に出す。「あの時は結婚している夫の人から、自分の妻を調査してくれないかというご依頼でした。それに対して秋雄さんの場合、まだ春海さんとは結婚しておられないわけですよね」
「それは確かに、おっしゃるとおりです」秋雄さんは、いかにも辛そうに顔をしかめた。「ただ単に俺の側では結婚も考えていた、というだけの話に過ぎせんので」
「確かに困りものですね、それは」私は腕を組み、考えこまされてしまう。「どうにも手の出しようがない、という状態なのかなあ」
「だもんで俺は、ふと思ってしまったんですよ」そう言ったきり秋雄さんは、そこでいったん言葉を切った。どことなく、次の科白を言い出すことをためらってしまっているかのような表情だ。しかし心を決めたのか、しばらくしてから再び口を開いて言葉を続ける。「もしかして梧桐さんたちに、それを調べていただくようにお願いできないものかって」
「えっ、何ですって」とっさにわけがわからず、私は訊き返した。「調べるって、いったい何を?」
「春海に誰か本当に新しい相手がいるのかどうか、ということです」どうやら腹をくくったらしく、きっぱりとした口ぶりになって秋雄さんは答える。「それから春海が俺との関係をどうするつもりでいるのか、ということもですね」
「それを私たちに調べてくれって、秋雄さんはおっしゃるのですか」
「梧桐さんたちは以前、頼まれて浮気の調査をなさったことがありましたよね」気が引けているらしい素振りを見せつつも、秋雄さんは言った。「それと同じようなことをもう一度、今度は俺のためにやっていただくというわけにはいかないものでしょうか」
確かに、秋雄さんの言っていることに嘘はない。マミと私は少し前に一度、不倫の調査をしたことがある。ある男の人から頼まれて、その人の妻が不倫していないかどうかを調べたのだ。
その時の話はプライヴァシーに対する配慮を施した上で、文章に書いて公表させてもらった。私の『婚外恋愛に走る妻たち』という作品が、それだ。おそらく秋雄さんも、それを読んだことがあるのだろう。だとしたら、その時の話を秋雄さんが知っていることには何も不思議がない。
「でもそれは、ちょっと問題があるような気もしてならないのですが」私は考えがまとまらないまま、頭の中に思い浮かんだ危惧を口に出す。「あの時は結婚している夫の人から、自分の妻を調査してくれないかというご依頼でした。それに対して秋雄さんの場合、まだ春海さんとは結婚しておられないわけですよね」
「それは確かに、おっしゃるとおりです」秋雄さんは、いかにも辛そうに顔をしかめた。「ただ単に俺の側では結婚も考えていた、というだけの話に過ぎせんので」
幸せに役立つ恋愛物語.2-3 [皆の恋話]
「なにか春海さんを喜ばせるようなことを企画して実行してみるのは、どうでしょう」私の横からマミが、再び口をはさんだ。「なるべく普段とは違う、ちょっと趣向をこらしたデートを企画してみるんですよ。そういうことをしてもらったら私たち女性は、それで気の持ちようが変わったりする場合も少なくないですからね」
「それも一応、考えてはみたんです」力のない口ぶりで、秋雄さんは言う。「だけど何だか、そういう気持ちになれなかったんですよ。そういう足掻きをすればするほど、自分が惨めになるだけのように思えてきてしまったもので」
そんな秋雄さんの気持ちは私にとって、わからないでもないような気がした。男は決して無理強いをせず簡単に諦めるのが潔い、と考えてしまう場合があるからだ。しかし女性のマミにとって、そんな考え方は決して納得できないものなのだろう。
「そんな、試してみもしないで決めつけてしまっちゃ駄目ですよ」そういさめるマミの口ぶりは、いかにもじれったさそうだ。「私たち女性は普通、雰囲気に弱いという傾向がありますからね。いつもと違う演出をされたりしたら、わりと簡単に考えが変わってしまわないとも限りませんし」
「それは俺だって、知らないわけじゃありません。でもどうしたって、そういうことをする気にはなれない理由があるんです」
秋雄さんの側もマミに劣らず、じれったさそうな口ぶりになる。
「いったい何ですか、その理由というのは」
そうマミに問い詰められて、言いにくそうに顔をしかめながら秋雄さんは答えた。
「実は最近、ちょっと疑惑のような気持ちを起こしてしまっているんですよ。春海が俺ではない別の誰かに浮気というか、心変わりをしかけているんじゃないかって」
「えっ、何ですって」
そういうことなのだとすると、あまり無理に訊いてしまってはまずかっただろうか。自分のせいで秋雄さんに、考えたくもないことを思い起こさせてしまったのだろうか――とっさにそう考えたのだろうか、マミは一瞬「しまった」という顔つきになる。しかしすぐ「訊いてしまったものは仕方がない」とでも思いなおしたらしく、質問を重ねた。
「なにか具体的に、そう考えざるを得ない根拠のようなものがあったのですか」
「根拠と言うほどのものは、何もありません。誰か具体的に『あいつが浮気の相手じゃないのか』と思える候補者がいる、というわけでもありませんしね。ただ最近は俺に対して前より少し態度が冷たくなったような気がしてならないもので『もしかすると、誰か他の相手ができたのかな』と思ってしまったんですよ」
「それも一応、考えてはみたんです」力のない口ぶりで、秋雄さんは言う。「だけど何だか、そういう気持ちになれなかったんですよ。そういう足掻きをすればするほど、自分が惨めになるだけのように思えてきてしまったもので」
そんな秋雄さんの気持ちは私にとって、わからないでもないような気がした。男は決して無理強いをせず簡単に諦めるのが潔い、と考えてしまう場合があるからだ。しかし女性のマミにとって、そんな考え方は決して納得できないものなのだろう。
「そんな、試してみもしないで決めつけてしまっちゃ駄目ですよ」そういさめるマミの口ぶりは、いかにもじれったさそうだ。「私たち女性は普通、雰囲気に弱いという傾向がありますからね。いつもと違う演出をされたりしたら、わりと簡単に考えが変わってしまわないとも限りませんし」
「それは俺だって、知らないわけじゃありません。でもどうしたって、そういうことをする気にはなれない理由があるんです」
秋雄さんの側もマミに劣らず、じれったさそうな口ぶりになる。
「いったい何ですか、その理由というのは」
そうマミに問い詰められて、言いにくそうに顔をしかめながら秋雄さんは答えた。
「実は最近、ちょっと疑惑のような気持ちを起こしてしまっているんですよ。春海が俺ではない別の誰かに浮気というか、心変わりをしかけているんじゃないかって」
「えっ、何ですって」
そういうことなのだとすると、あまり無理に訊いてしまってはまずかっただろうか。自分のせいで秋雄さんに、考えたくもないことを思い起こさせてしまったのだろうか――とっさにそう考えたのだろうか、マミは一瞬「しまった」という顔つきになる。しかしすぐ「訊いてしまったものは仕方がない」とでも思いなおしたらしく、質問を重ねた。
「なにか具体的に、そう考えざるを得ない根拠のようなものがあったのですか」
「根拠と言うほどのものは、何もありません。誰か具体的に『あいつが浮気の相手じゃないのか』と思える候補者がいる、というわけでもありませんしね。ただ最近は俺に対して前より少し態度が冷たくなったような気がしてならないもので『もしかすると、誰か他の相手ができたのかな』と思ってしまったんですよ」
前の4件 | -







